Bluetooth認証のQDIDとは?Bluetoothモジュール選びの際はQDIDとProduct Typeに要注意
こんにちは、ムセンコネクトCMO、兼 無線化.comカスタマーサポート担当の清水です。
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今回はメーカーエンジニアが組込用Bluetoothモジュールを選ぶ際、必ず確認しなくてはならないチェックポイントに関するアドバイスです。チェックすべきは2点、BluetoothモジュールのQDIDとProduct Typeです。
Bluetooth認証のQDIDとは?
Bluetoothモジュールを扱う際、QDIDという言葉を耳にしたことはないでしょうか?
QDIDというのはQualified Design IDの略で、Bluetooth認証を取得するとBluetooth SIGから貰えるIDです。要はそのモジュールがBluetooth認証を取得済みだという証明になるものです。
メーカーがBluetooth機器を販売するためにはEPL登録(End Product Listing、つまり最終製品登録)を行わなければなりませんが、そのEPL登録の際、BluetoothモジュールのQDID情報が必要になります。事前にモジュールメーカーや代理店に確認し、必ず把握しておきましょう。
海外のBluetooth機器を輸入検討中の方から「Bluetooth認証を取っているかわからない。怪しい」と相談されることがありますが、もし「このBluetooth機器はちゃんとBluetooth認証取ってるのかな?」と疑問に思ったときは、メーカーにQDIDを確認してみましょう。
Bluetoothモジュール選びの際はProduct Typeに要注意
Bluetoothモジュールを選ぶ際にチェックすべき点はQDIDだけではありません。BluetoothモジュールのProduct Typeも必ず確認しましょう。Product TypeがEnd Productなのか、ComponentなのかによってEPL登録のやり方が変わってくるため非常に重要です。
Bluetooth認証のProduct TypeはEnd ProductやComponentの他に、Controller SubsystemやHost Subsystem、Profile Subsystemなどがあります。
End Product
Product TypeがEnd ProductのBluetoothモジュールを組み込んだ場合、モジュールがBluetooth無線に必要な要件を全て満たしているため、改めて最終製品で無線試験を行う必要がなく、BluetoothモジュールのQDID情報だけでEPL登録が完了します。
Component
一方、組み込んだBluetoothモジュールのProduct TypeがComponentだった場合は要注意です。Componentとは「部品」を意味し、Bluetoothに必要な要素の一部分だけで認証取得しているということになります。一部のブランクモジュールがこれに該当します。
この場合、ComponentのBluetoothモジュールを組み込んだだけではBluetoothに必要な要件を満たしていないことになりますので、他のQDIDと組み合わせなければEPL登録ができません。
さらに、Componentとして登録されているBluetoothモジュールの中には、複数のQDIDを組み合わせてもEPL登録することができず、別途、Bluetoothの無線試験や認証手続きを行わなければならないモジュールもあります。
EPL登録代行のご相談をいただくお客様の中には、QDIDの組み合わせや認証手続きが必要なモジュールだと知らずにComponentモジュールを採用してしまっており、困惑されてしまうエンジニアが少なからずいらっしゃいます。
トラブルの具体例
Bluetooth SIGの実際の画面でトラブル事例をご紹介します。
メーカーエンジニアが採用するBluetoothモジュールを決める前にやるべきこと
- 使用するBluetoothモジュールのQDIDを確認する
- 使用するBluetoothモジュールのProduct Typeを確認する
- もしProduct TypeがComponentだった場合はQDIDを組み合わせることが可能なモジュールか、あるいは無線試験が必要なモジュールか確認する
Bluetoothモジュールを選定する際はスペックや価格だけではなく、Product Typeにも注意することが失敗しないモジュール選びの秘訣です。