国産BLEモジュールの製造プロセスとは?
大手デバイスメーカーで培われたモノづくり力
ムセンコネクトのBLEモジュールは、大手デバイスメーカーで技術を培った株式会社イーアールアイが中心となり、国内実装メーカーのモノづくり力を結集して製造しています。信頼できる設備と一貫した生産体制により、高品質なBLEモジュール製造を実現しています。
この工程では、BLEモジュールの基板に対して均一なはんだ量を印刷しています。
はんだの供給量が多すぎるとブリッジが発生し、結果としてショートの不良原因につながります。逆にはんだの供給量が少なすぎると未はんだとなり、充分な特性が発揮できません。つまり、製造プロセスの中でも、BLEモジュールの品質を左右する非常に重要なプロセスです。
マウンター実装では、BLEモジュールに搭載される部品の誤実装が無い様、信頼性の確保が求められます。
このマウンターは、「実装時初回チップCR部品定数電気検証」を有しており、部品セット時に電気特性を測ることで、「正常な値がでる」≒「正常な部品がセットされている」と判断可能です。つまり、搭載チップ部品のトレーサビリティが明確化されています。
N2(窒素)雰囲気の下、約180~265℃位の熱勾配をかけることで、基板の酸化を防ぎ、均一なはんだ付けを実現しています。この工程ではんだの付けが悪いと、ショートの不良原因になるため、加熱ムラを抑え、接続信頼性の高いはんだ付けを行っています。
外観検査①(検査機)
まず検査機を用いて、BLEモジュールの基板上に正常なものが搭載されているか、二次元で検査しています。
外観検査②(検査員)
検査機による外観検査に続いて、検査員による三次元での目視検査を行います。二次元では確認しきれなかったはんだ付け部分を中心に、顕微鏡を使ってBLEモジュール一つひとつを検査します。
カッターと専用の治具を使用して、BLEモジュールの基板を分割します。非常に地味な工程ですが、分割によるBLEモジュール全体へのストレスを抑制し、部品のクラックを防ぎます。
いよいよ最後の工程では、BLEモジュールに魂を入れるが如く、専用の書き込みツールでファームウェアを一つひとつ丁寧に書き込んでいきます。全てのモジュールに正しく書き込みできているか確認するため、この工程では下記の動作チェックも行います。
- ファームウェア書き込み
- 治具チェック
- UARTアクセスチェック
- ファームバージョンチェック
- 電流チェック
- GPIOチェック
- 起動モードチェック
- 通信チェック
- 工場出荷設定書き込み
ファームウェアが書き込まれ、動作チェックを終えたBLEモジュールには、一つひとつ手作業でラベルが貼られます。
ラベル貼付完了後も、さらに工場出荷前の品質管理工程があります。当社へ入荷後、最後にもう一度動作確認を行い、初期不良がないことを確認の上、お客様の元へお届けしています。
信頼性試験項目
設計段階でも高い品質を目指すため、信頼性試験を実施し、品質確認を行っております。また、前述の通り、製造時には製品全数を対象に「基本性能に対する動作確認」を実施しております。
信頼性試験項目 | 条件 |
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低温保存試験 | -25℃の恒温槽にて48時間保存後、常温で1時間放置し、その後正常に動作すること。 ※結露無きこと。 |
高温保存試験 | 75℃の恒温槽にて48時間保存後、常温で1時間放置し、その後正常に動作すること。 ※結露無きこと。 |
高温高湿保存試験 | 75℃、湿度90%の恒温槽にて48時間保存後、常温で1時間放置し、その後正常に動作すること。 |
低温動作試験 | -25℃の恒温槽にて2時間動作後、常温で1時間放置し、その後正常に動作すること。 |
高温動作試験 | 75℃の恒温槽にて2時間動作後、常温で1時間放置し、その後正常に動作すること。 |
高温高湿動作試験 | 75℃、湿度80%の恒温槽にて2時間動作後、常温で1時間放置し、その後正常に動作すること。 |