【サルでもわかる】Bluetooth認証に関する専門用語ガイド【2023年版】
こんにちは、ムセンコネクトCEOの水野です。(プロフィール紹介はこちら)
『最新のBluetooth認証に関する専門用語』をテーマにした動画です。
Bluetooth認証のルールはたびたびアップデートされるため、Bluetooth認証に関する専門用語も変更される場合があります。しかし多くの方が常に最新情報を追い続けられるわけではないため、お客様からBluetooth認証に関するお問合せをいただく中で、「昔の用語をそのまま使っているな」とか「現在の制度だとこの用語のことを指しているな」など、新旧の用語が混在しているケースがしばしばあります。特に非エンジニアの方には専門用語がわかりづらく感じるようです。そこで今回は、2023年時点でのBluetooth認証に関する専門用語を体系的に、そして新旧の違いがわかるように解説していきます。
【図解】Bluetooth認証に関する専門用語の体系図
Bluetooth認証に関する専門用語とそのつながりを表した体系図がこちらです。
今回はこの体系図をもとに、専門用語を順を追って解説します。
Bluetooth認証(Bluetooth Qualification)
Bluetooth認証は全てのBluetooth製品において必須であり、自社製品(あるいは自社ブランド化した製品)は自らBluetooth認証を取得する必要があります。
以前の制度では『Bluetooth Qualification Program』『ロゴ認証』『ロゴ認定』と呼ばれ、BQB(Bluetooth Qualification Body:ロゴ認証判定者)がロゴ認証判定をしていたことから、BQB認証と呼ばれることもありました。
Bluetooth SIGが管理している認証であるため、通称『SIG認証』や『Bluetooth SIG認証』と呼ばれることも少なくありませんが、現在の正式名称は『Bluetooth Qualification』です。
Bluetooth認証コンサルタント(Bluetooth Qualification Consultants)
Bluetooth認証コンサルタントは、特定の要件を満たし、SIGから認定を受けた独立系コンサルタントです。Bluetooth SIGメンバーのBluetooth認証プロセスを支援する役割を担っています。
全世界で40名程度が資格を保有しており(2023年時点)、先述のBQBやBQE(Bluetooth Qualification Experts)の中には現在もBQCとしてご活躍されているケースもあります。
Bluetooth認証プロセス(Bluetooth Qualification Process)
Bluetooth認証プロセスには無線試験が『不要な認証プロセス』と『必要なプロセス』の2パターンが存在します。この認証プロセスを通過(合格)することでBluetooth認証を取得できる仕組みになっています。
BQTF(Bluetooth Qualification Test Facility)
『試験が必要なプロセス』の場合、Bluetooth SIGが認定した機関での試験が必要になります。その公式な機関がBQTFであり、現在日本国内で認定を受けているのは4社のみです。
- アリオン株式会社
- テュフ ラインランド ジャパン株式会社
- ビューローベリタスジャパン株式会社
- 株式会社UL Japan
QDID(Qualified Design IDs)
(非エンジニアの方でもわかりやすくするため、かなり平たくお伝えすると)QDIDは『試験が必要な認証プロセス』に合格した証となるもので、Bluetooth技術の固有の識別番号になります。
このBluetooth技術自体のことをBluetooth SIGでは『設計(これをDesignと呼ぶ)』と定義しています。「認証プロセスに合格した設計」に対する識別番号なので、Qualified Design IDs(略してQDID)という名前になっています。
なお、自社でQDIDを取得しなくても、Bluetoothモジュールが取得したQDIDを参照すれば最終製品でのBluetooth認証が可能です。
さらに、QDIDを取得したBluetoothモジュールは何種類かの『Product Type』に分類され、モジュールのProduct Typeや参照の仕方次第では『試験不要の認証プロセス』を適用させることも可能です
申告ID(Declaration IDs)
申告IDはBluetooth認証プロセスを完了した認証に対して必要になる固有の識別番号のことを指します。
QDIDと非常に混同しやすい専門用語であり、非エンジニアの方には特にわかりづらい部分のようです。平たくいえば、QDIDは設計に対する識別番号、申告IDは(後述する)製品登録を識別する番号です。
『試験が不要な認証プロセス』を完了した認証には、「新規の申告IDと参照用QDID」の割り当てが必要になり、一方、『試験が必要な認証プロセス』を完了した認証には、「新規の申告IDと新規QDID」の割り当てが必要になります。
製品申告料金(Declaration Fees)
申告IDの購入費用を指します。近年、Bluetooth SIGの会費値上げや円安の影響などにより、申告IDの料金が高騰してきています。常に最新情報の入手や、早めの対応が求められます。
製品登録(Product Listing)
認証プロセスの最後は製品登録を行います。製品申告料金を支払って申告IDを取得し、該当の製品情報および設計(QDID)とを紐づけることで製品登録が完了します。
以前の制度ではEPL登録(End Product Listings)と呼ばれ、「認証試験が不要の場合は認証費用も不要」など、現在の製品登録とは異なる仕組みが採用されていました。