【疑問にお答えします】2024年7月から変わる『Bluetooth認証プロセス』の変更点まとめ
こんにちは、ムセンコネクトCEOの水野です。(プロフィール紹介はこちら)
2024年7月にBluetooth認証プロセスがアップデートされます。今回はその内容と、気になる影響について解説します。
Bluetooth認証プロセスがアップデートする理由
Bluetooth SIGは認証プロセスをアップデートする理由について、「現在のBluetooth認証プロセスが複雑すぎるという問題に対処するため」と発表しています。
アップデートの概要とポイント
アップデートの概要を認証プロセスのステップ別に解説します。
アップデート前の基本的な流れは
- Bluetooth SIGメンバーに登録
- 認証機関に認証テストを依頼、Qualified Design ID(QDID)を取得
- Declaration feeを支払、Declaration IDを取得
- 製品登録を実施
でしたが、2024年7月1日からは
- Bluetooth SIGメンバーに登録
- 認証機関に認証テストを依頼、Design Number(DN)を取得
- Administrative feeを支払、Receipt Numberを取得
- 製品登録を実施、SIGの審査および承認を経て完了
となります。
特に製品登録の際、新たにSIGの審査および承認が必要になったという点がステップ上の大きなアップデートだといえます。
アップデートポイント)用語編
下記表の通り、用語が新しくアップデートされます。
アップデート前 | アップデート後 |
---|---|
Declaration fee | administrative fee |
Qualified Design ID(QDID) | Design Number(DN) |
これまでBluetooth SIGのデータベース上では隣り合う場所に似たような用語が使用されていたため、特に馴染みのないメンバーからすると「非常にわかりづらい」といった課題がありました。
今回の用語のアップデートによりメンバー側の理解を促進する思惑が感じられます。
アップデートポイント)Product Type編
下記表の通り、Product Typeもアップデートされます。
アップデート前 | アップデート後 |
---|---|
End Product | Core-Complete configuration |
Controller Subsystem | Core-Controller configuration |
Host Subsystem | Core-Host configuration |
Profile Subsystem | X2Core Layer(s) |
Component | Core Layer(s) or X2Core Layer(s) |
また、Componentはこれまで三年間の有効期限があり有効期限を過ぎると再評価が必要でしたが、アップデート後は有効期限が廃止されて再評価も不要になります。
アップデートポイント)製品登録編
製品登録についてはステップ毎に解説していきます。
①製品に関する詳細の入力
最初のステップでは、製品情報として『製品名』『型式名』『製品説明』『製品発売日』等を入力します。
②デザインの特定
二番目のステップでは、デザインの特定を行います。このステップは今回のアップデートで大きく変更された部分です。
ここでは
- Option 1
- Option 2a
- Option 2b
の3つのパターンからデザインを選ぶ必要がありますが、ここの判断や試験内容の選択が複雑であるため、BQC(Bluetooth認証コンサルタント)やBQTFにご相談されることをお薦めいたします。
③administrative feeの支払
三番目のステップでは、administrative feeを支払います。従来のDeclaration feeから料金に変更はなく、アダプター会員であればadministrative feeは$11,040 USDです。支払が完了すると、Receipt Numberが発行されます。
④提出
四番目のステップでは、Bluetooth SIGのオンラインツールを使用して必要書類を提出、署名します。ここでは③で発行されたReceipt Numberを添付する必要があります。
⑤検証
最後は今回のアップデートで新たに追加されたステップです。これまでにはなかったBluetooth SIGでの審査および承認が必要になりました。提出された資料の検証について、問題がなければほとんどの審査は1営業日以内に、より複雑な提出資料の検証については5営業日以内に審査が完了します。
Bluetooth認証登録済み製品への影響は?
これまでにBluetooth認証を正しく取得した製品には影響はなく、再登録などのアクションは必要ありません。引き続きSIGのデータベースに表示され、ご確認いただくことができます。