Bluetooth機器販売初心者は必見!Bluetooth機器販売に不可欠な「SIGメンバー」とは?
こんにちは、ムセンコネクトCEOの水野です。(プロフィール紹介はこちら)
初めてBluetooth対応製品やサービスを世の中に提供する際には誰しもがBluetooth SIG(Bluetooth Special Interest Groupの略、以下SIG)のメンバーになる必要があります。
そこで今回は「一体、SIGメンバーとは何か?」「なぜ必要か?」「メンバーになると利用できるBluetoothロゴやワードマーク」について解説します。
SIGメンバーとは?
Bluetooth SIG公認の会員を「メンバー」と呼びます。メンバーはグローバルコミュニティであり、Bluetoothのライセンス利用やメンバー同士のネットワーク構築が可能です。
但し、メンバーの対象は法人格であり、個人(※)の入会は受け付けていません。
※個人事業主の場合、最低でも屋号やそれを証明できるURL等が証明できないと基本メンバーにはなれません。
一般企業が登録できるSIGメンバーは大きく2種類、アダプターメンバーとアソシエイトメンバーが存在します。
アダプターメンバー
- まずは一番最初に登録すべき、おすすめの会員の種類
- 年会費無料、登録料も一切不要
アソシエイトメンバー
- 玄人向け
- Bluetooth認証費用が削減
- ワーキンググループや委員会を通じたBluetooth仕様の開発プロセスに参加可能
メンバーに関わる主な費用(※)はメンバーのグレードによって異なります。代表例として申告IDと年会費は、以下の通りです。
メンバーの種類 | アダプター | アソシエイト |
---|---|---|
申告ID費用 | $9,600 USD | $4,800 USD |
年会費(売上130億円未満/年) | $0 | $9,000 USD |
年会費(売上130億円以上/年) | $0 | $42,000 USD |
※2022年5月時点での為替レート
よくあるお問合せ)既に自社がSIGメンバーなのかどうか知りたい!
特に大手企業様からのお問合せで多いのが「既に自社がSIGメンバーなのかどうか知りたい」という件です。これを知るにはBluetooth SIGのWEBサイト上にあるメンバーディレクトリで検索すれば分かります。
但し、Bluetooth SIGはEメールドメインでメンバーか否かを管理しているため、もし大手企業の子会社や関連会社だった場合、メンバーディレクトリ上に自社名の表示がなくても『メンバーアカウント登録済み』の可能性もあり得ます。その場合はBluetooth SIGに直接問合せをする必要があります。
メンバーアカウントの仕組みについては以下の記事で解説しています。
SIGメンバーにならないとペナルティが発生!?
SIGメンバーになることで以下のライセンスが利用可能になります。
- Bluetoothの特許・著作権使用許諾契約に基づいたBluetoothテクノロジーを使用するためのライセンス
- Bluetooth商標使用許諾に基づいたBluetooth商標を使用するためのライセンス
つまり、上記ライセンスを使うためにSIGメンバーになる必要があります。すなわち、SIGメンバーでない方々がBluetooth技術やロゴを利用することは違反にあたるため、最悪販売差し止めなどの様々なリスクを負うことになります。
ロゴについてよく誤解される点
よくある誤解として、「ロゴを使用しなければSIGメンバーにならなくても良い。」と誤解されている方々がいらっしゃいます。
正しくは「自社製品にBluetooth技術を活用したり、その製品を販売するためにはSIGメンバーへの登録(≒ライセンスの付与)が必要」であり、その上で「ロゴを使用するかしないかはメーカー側の自由」です。つまり「ロゴを使用しなくてもBluetooth技術を使いたければメンバー登録が必要」ということです。お気を付けください。
SIGメンバーになると利用できるBluetoothロゴやワードマーク
SIGメンバーになるとライセンスの利用が認められるため、市場で販売する製品に対して、Bluetoothロゴやワードマークを使用することができます。これを製品の筐体やパッケージに利用することでBluetooth対応製品であることがユーザー側に容易に伝わり、一種のブランディングとして活用できます。
但し、自社ブランドとしてBluetooth対応製品を販売する企業は、メンバー登録に加えて適切なBluetooth認証の取得(最終製品登録の完了)も必要になります。
また、BluetoothロゴやワードマークはSIGが所有する登録商標であり、これらのマークの使用はルールに基づいて行わなければなりません。
これらのルールについては以下の記事で解説しています。