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オープンな情報発信が依頼の決め手、株式会社ハイオス様のBluetooth認証登録代行サービス導入事例

こんにちは、ムセンコネクトCEOの水野です。

今回はBluetooth認証登録代行サービスをご利用いただいた株式会社ハイオス様の導入事例インタビューをお届けしたいと思います。

今回取材したトルク計測器『HPシリーズ』をご担当されている株式会社ハイオス 開発部部長の森田 啓介氏、企画部課長の上野 陽一氏に、自社製品のBluetooth化に至った経緯と、実際にご利用いただいたムセンコネクトの『Bluetooth認証登録代行サービス』に対するご感想を伺いました。

*写真左から株式会社ハイオス 開発部部長森田氏、企画部課長上野氏

目次

株式会社ハイオスとは?

 株式会社ハイオスは、東京都墨田区押上に本社を構えており、電動ドライバー・トルク計測器・ねじと言ったねじ締めに関する製品の製造・販売を行っています。電動ドライバーというと、ホームセンターなどで売られている物を想像される方が多いとおもいますが、ハイオスの電動ドライバーは、組立工場で使用される電動ドライバーとなっています。組立工場のラインで使う電動ドライバーには繰り返し行う作業なため形状などの作業性の良さや、同じ品質での量産を行うため締め付けトルクの安定性・管理や耐久性が求められます。これに応えるために、繰り返し精度が高く、かつユーザビリティに優れ、安心・安全で、組立工場になくてはならない工業製品を提供し続けています。

 作業者が手にもって動かす手動タイプのドライバーや、ロボットに取り付けて作業させる自動機タイプのドライバーだけでなく、従来ねじの問題点を改良した作業効率UPのオリジナルねじを開発したり、電動ドライバーのトルク設定やトルクレンチ測定具のチェックを行うトルク測定器などといった周辺機器も開発・製造しており、ねじ締めに必要な要素をオールインワンで提案できるのが弊社の強みとなっています。

https://hios.com/

スマートファクトリー化が進むお客様の作業現場に合わせ、Bluetooth化でユーザーの操作性向上を実現

森田 啓介 氏
株式会社ハイオス 開発部部長

-- ハイオス様の事業と、今回ご紹介いただくトルク計測器『HPシリーズ』との関わりについて教えてください。

森田氏:
弊社は1970年設立ですが、創業のきっかけは1966年に誕生したトツねじというねじづくり事業でした。その後、ハイオス設立時から産業用電動ドライバーの販売を開始し、1978年にはねじ締め品質管理の向上を追求してトルク計測器製品の開発・販売に着手しました。40年以上前から続く製品ですが、外観には大きな変更はなく、内部の改善を繰り返してお客様には長らくご愛顧いただいている製品になります。最近では世界90ヵ国以上のモノづくり現場で使用され、国内でも大手自動車メーカーの製造ラインに設置されるなど、ハイオスのトルク計測器はグローバルの基準器としてご採用いただいております。

これだけ多くの方々にご利用いただいていますので、お客様の日常的な使い方などを観察させていただく機会もたくさんあるのですが、最近のモノづくりの現場では当たり前のようにタブレットやスマートフォン、PCなどのプラットフォームデバイスが活用されていて、スマートファクトリーやペーパーレス化のトレンドがきています。

そこで我々はお客様の操作性を向上させるアイデアの一つとして、従来行われていた『有線でデータを吸い上げる作業』だったり『手書きによる転記作業』などをなくすために『測定したトルクデータをBluetooth通信で転送する機能』を思いつき、2024年に弊社として初、HPシリーズとしても初となるBluetoothを搭載した製品の販売を開始しました。さらに今回は専用のPCアプリケーションを用意しましたので、アプリケーションを通じてお客様がカンタンにデータを収集・蓄積することができます。また、データはCSVファイルにもエクスポート可能なため、評価や分析ツールなどにも活用できます。

発売して間もないため実績自体はまだまだこれからですが、お客様の反応は非常によく、今後の販売動向には期待しています。

Bluetooth機能を搭載したHPシリーズ
トルクデータが転送されたPCアプリケーション画面

依頼の決め手は『オープンな情報発信』や『簡易情報からの概算算出』

上野 陽一 氏
株式会社ハイオス 企画部課長

--ムセンコネクトのBluetooth認証登録代行サービスをご検討いただいた経緯について教えてください。

上野氏:
開発をスタートして実際に設計・試作が終わった段階まで、搭載するBluetoothモジュールがBluetooth認証を取得していれば、自社でBluetooth認証を取得せずに販売することが可能だと認識していました。ですが、改めて様々な情報を入手したり、ムセンコネクトへ質問したことによってBluetooth認証の必要性を認識しました。

最初は自社で完結できるかなと考えていたものの、母体(Bluetooth SIGのこと)自体が英語圏なので言語の壁があったり、Bluetooth SIGのWEBサイトをみても申請方法がよく分かりませんでした。そこでBluetooth認証の取得自体を外部に依頼した方がよいという考え方に変わりました。弊社は決して企業規模が大きいわけではないため、法務部のような法規認証関連をお願いできる部署がなく、全て技術側で完結させなければいけなかったという点も大きかったと思います。

--Bluetooth認証登録代行サービスを正式にご依頼いただいた決め手は何でしょうか?また、実際にご利用いただいたご感想を教えてください。

ムセンコネクトに依頼する決め手となったのは大きく2点ありました。まずはレスポンスが早かったこと、そして情報発信がオープンなことです。実はムセンコネクトに正式な依頼をする前に色々とネット検索をしていたのですが、何かとムセンコネクトのWEB記事やYouTube動画などのコンテンツが多く出てきました。コンテンツの内容も初心者の我々には理解しやすかったですし、決裁時にはBluetooth認証の必要性を社内メンバーへ説明する必要があったのですが、そのための情報が揃っていた点もよかったポイントです。

私的には「ここから先は有料です、みたいな有料コンテンツばりの情報をよく無料でお見せできるな。これで商売になるのかな?」と不思議に思っていました(笑)。

調査中にはもちろんムセンコネクトの競合メーカーにもお問い合わせをしたのですが、「ここから先はちょっと。。。」「もう少し情報をいただかないとお答えできかねます」のような会社もありました。それであればいろいろな情報をオープンにしている会社の方が頼みやすいと思ったのもあります。

弊社内の手続きの問題で多少時間が掛かってしまいましたが、納期的にも割と早めにご対応いただけましたし、順調に進んでいたので最後まで安心してお任せすることができました。

--もし、他社にBluetooth認証登録代行サービスをおすすめするとしたらどんな点をおすすめできますか?

上野氏:
「まずはムセンコネクトの無線化講座やYouTubeを見てみてはいかがですか?」とアドバイスすると思います。コンテンツの内容が豊富なので「どういったところで躓くのか?」「どういうことに気をつけなければいけないのか?」を学ぶことができますし、相談したいことがあれば気軽にお問い合わせできる点もおススメできるポイントかなと思います。

ねじ締めでお届けできる安心・安全にこだわり続けたい

-- 最後に貴社の事業、製品について今後の展望を教えてください。

森田氏:
ねじというのは締められればOK、締めさえすれば安心・安全という訳ではありません。常時ねじ締めに関するデータ情報が見える化されていて、いま作業している内容・数値が正しいのかを、お客様自身が確認できる商品を提供しなければなりません。そのために電動ドライバーや計測器をスマートIoT化し、生産管理から品質管理まで、お客様の生産性向上につながる工程の見える化を手助けしてまいります。

また、ねじ一つとってみても、精度の高いねじを使用することは怪我や事故の防止にもつながります。ねじ締め専業メーカーとしてねじにこだわってきた我々ならではのモノづくりによって、これからもお客様に安心・安全を提供し続けていきたいと考えております。

インタビューを終えて

製造現場で働かれたご経験のある方であればハイオス様の電動ドライバーを一度はご覧になったことがあるのではないでしょうか?当社のエンジニアも手に取ったことがあるとのことでした。こだわって作られたという本社オフィスは大変美しく、螺旋階段はねじをイメージして作られているそうです。ハイオス様のねじへの想いが社屋そのものにも現れていると感じました。

お洒落な本社空間およびねじを表現した特注の螺旋階段

ここまでねじ締めにこだわっている専業メーカーというのは、世界広しといえども有数だと思います。このインタビューを通じて、我々も当社のミッションにある『つながる』ということに対してもっとこだわり、強く意識した事業づくりが必要だと痛感しました。大変勉強になるインタビューとなりました。

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