競争優位性とリスク回避の観点から認証取得は正確性を重視、KEYes株式会社様のBluetooth認証登録代行サービス導入事例

こんにちは、ムセンコネクトCEOの水野です。
今回はムセンコネクトに『Bluetooth認証登録代行サービス』をご依頼いただいたKEYes株式会社様の導入事例インタビューをお届けしたいと思います。
Bluetoothを搭載したスマート南京錠の管理サービス『KEYes(キーズ)ロックサービス』を展開されているKEYes株式会社 代表取締役の野寄 朋彦氏、取締役 CTOの藤懸 英昭氏に、製品化に至った経緯と、実際にムセンコネクトの『Bluetooth認証登録代行サービス』をご利用いただいたご感想を伺いました。
*写真右からKEYes株式会社 取締役CTO 藤懸氏、代表取締役 野寄氏
KEYes株式会社とは?

KEYes株式会社は、スマートフォンで解錠操作するスマート南京錠・スマートキーボックス・スマートワイヤーロックの製造・販売を行っております。
当社の提供するスマートフォンのアプリにより、 KEYes製の南京錠やキーボックス、ワイヤーロックなどの解錠操作ができます。物理鍵の持ち歩きは不要で、鍵の複製を勝手に作られる心配もありません。
『KEYesロックサービス』の開発経緯とは?

KEYes株式会社 代表取締役
-- 『KEYesロックサービス』の商品説明と開発の経緯について教えてください。
野寄氏:
『KEYesロックサービス』はわたしたちが展開しているスマート南京錠の管理サービスです。Bluetooth通信を搭載したスマート南京錠はスマートフォンアプリから施解錠することができます。現在は南京錠だけでなくワイヤーロックやキーボックスなど、お客様の利用シーンに合わせて鍵をお選びいただけるように種類も拡大し、管理の利便性向上とさらなるサービスの普及を目指しています。

創業の翌年、2019年から『KEYesロックサービス』を展開していますが、当初は現在とは異なる分野での事業展開を考えていました。当時は賃貸物件の管理をする不動産仲介業者の方々をターゲットにしていました。「スマート化したダイヤル式の南京錠やキーボックスを活用することで賃貸物件管理の業務を効率化できます」という点を訴求して顧客獲得を目指していました。
最初は自分たちで全て作らずに既製品を海外から輸入し、自前のソフトウェアを組み込みながら実証実験を繰り返しました。そうすることで、より早く、コストも極力抑えながら必要な機能を要件として挙げることができました。少しずつサービスに改良を加えていくことで手ごたえも感じはじめていたのですが、狙っていた不動産業界は、『リードタイムが長い』『クロージング(受注)までの営業プロセスが明瞭化しづらい』といった課題があったため、2023年頃からはターゲットとする業界を大きく切り替えることにしました。
次に狙ったのが、現在のメイン市場であるインフラ業界です。最初は地場の大手電力会社様からのお問い合わせがきっかけでした。現場の方々やDX推進部門なども巻き込んでインフラ業界にも適応できるプロダクトを一緒につくることができました。具体的にはスマホがモバイル通信できないところでも利用できるようになりました。また、本体のスマート南京錠は過酷な屋外シーンも想定し、防水のIPX6規格を取得して粉塵や海水にも耐えうるプロダクトにまで昇華させました。
すると、驚いたことに他地域の電力会社様からも次々とお問い合わせが入るようになりました。加えて「こういう風に応えていけば導入してくれる」という電力会社様特有のプロセスに対応できるようになったこともあって、高い確度で成約を見込めるようになってきました。今では、鉄道業や製鉄業まで導入例が広がり、徐々にユーザー数が増えてきています。

Bluetooth認証取得に求めたのは「正確性」

KEYes株式会社 取締役
--ムセンコネクトの『Bluetooth認証登録代行サービス』をご検討いただいた経緯や正式にご依頼いただいた決め手について教えてください。
藤懸氏:
2024年に起きた能登半島地震に代表されるような有事の災害時には避難所が施錠されているため、まず避難所の鍵を取りにいかなくてならず、簡単には避難所を開放することができない、そのようなご相談を自治体の方からいただきました。そこで着目したのが、災害時でも移動基地局車によって比較的早く復旧するLTE通信です。これまでのBluetooth通信による解錠に加え、LTE通信経由でも解錠指示を送れるようになれば、有事の際でもすぐに避難所を利用できるようになるのではないかと考え、LTE/Bluetoothを搭載したスマートロック『KYS-M1』の企画が立ち上がりました。試作品をつくって将来的な販売に向けた準備を進める中、Bluetooth認証の取得に関してはムセンコネクトさんに相談してみることにしました。

実はこれまでの製品は全て中国の認証代行業者を使ってBluetooth認証を取得していましたが、通訳の方を介したやり取りでは行き違いなどが生じて大変な苦労を伴いました。そういった苦い経験があったため、今回の次期プロダクトについては日本での取得を前提に検討を開始しました。ムセンコネクトさんはWEBサイトの無線技術や認証に関する記事を読んでいましたし、以前別件でお問い合わせをさせていただいた経緯もあり、真っ先にご相談させていただきました。
Bluetooth認証を取得するにあたって一番回避したかったのは「勝手な解釈をしてBluetooth認証を誤った形で取得してしまい、後日Bluetooth SIGから是正措置を求められること」でした。それと、特に海外製品などは取得すべき法規認証関連をおざなりにするメーカー品も少なくないため、「逆に認証関連を着実に実施していることが弊社製品の競争優位性にもつながるのではないか」と考えていました。なので、正確性を担保するためにも専門家に相談しながら進めたいという思いがありました。
ムセンコネクトさんを選んだ決め手は、経験値と信頼性の二点かと思います。これまでにも沢山の企業のBluetooth認証取得を代行されているので、実績やその経験値、着実な認証取得までの安心感や信頼性が決め手になりました。さらに、開発における技術的な相談も一緒にできたのがよかったです。製品化においておさえておくべきポイントをアドバイスいただいたり、認証に限らず相談相手として寄り添ってくれる姿勢が大変助かりました。
--実際に『Bluetooth認証登録代行サービス』を利用してみての感想を教えてください。また、もし他社におすすめするとしたらどんな部分を推していただけますか?

藤懸氏:
ムセンコネクトに依頼をして感じたのは、すごく早くて、安心感がありました。「こんなに手間がかからず、ラクしていいのかな」と思いました(笑)。
そしてBluetooth認証は取得する機会がそう多いものではないので、正確性やスピードを考えると費用感としてもリーズナブルだと感じました。
Bluetooth認証の知識はないけど法令遵守を徹底したい、そしてそれに割ける時間があまりないメーカーにはお勧めします。また、ムセンコネクトさんは気が利くというか、発注前の段階でも認証について詳しく丁寧に教えていただけたのが印象に残っています。
『誰もが使える鍵』を目指したい
-- 最後に貴社の事業、製品について今後の展望を教えてください。
野寄氏:
サービスを展開していて最近気づいたことがあります。わたしたちのサービスをご利用いただくような環境下においては、必ずしもみなさんがスマートフォンの扱いに慣れているわけではないということです。インフラ系の現場では様々な年代の方や、ITに関して少し苦手意識がある方々も沢山いらっしゃいます。今はスマートフォン前提のサービスを展開しているのですが、将来的にはデジタル格差を埋められるような、スマートフォンがなくとも解錠できるようなサービスを展開して、『誰もが使えるスマートロック』がある世界を目指したいと考えています。

インタビューを終えて
今回のインタビューでは「どのように市場を開拓し、どんな課題を乗り越えてきたのか」といった、ビジネスの本質に迫るお話を伺うことができました。
『KEYesロックサービス』は単なるスマートロックの提供にとどまらず、各業界ごとの課題を解決するプロダクトへと進化してきました。その過程ではターゲット市場を不動産業界からインフラ業界へと大きくピボットしましたが、ユーザーのニーズを徹底的に掘り下げることで現在の強みを確立されたのだと思います。新たなプロダクト開発にも挑戦されており、技術だけではなく「誰にとっての価値なのか?」を重視した開発思想が伝わってきました。
インタビューの最後では「スマートフォンを使わない人でも簡単に使えるスマートロックを作りたい」とお話されていたのが印象的でした。技術の進化がすべての人の利便性につながる世界を目指すKEYes様の挑戦を今後も応援していきたいと思います。