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Bluetooth ClassicからBLEへの移行で高性能化・多機能化を実現、株式会社クローネ様のBluetoothモジュール導入事例

今回はLINBLE-Z1をご採用いただいた株式会社クローネ様の導入事例インタビューをお届けしたいと思います。

次世代型高精度デジタル圧力計『KDM30-α』のBluetooth化をご担当された株式会社クローネ 専務取締役の藤原氏、営業部の上田氏、技術部の山下氏に、LINBLE-Z1導入までの経緯や本製品の開発秘話を伺いました。

*写真右2番目から株式会社クローネ 専務取締役の藤原氏、技術部 山下氏、営業部 上田氏

目次

株式会社クローネとは?

株式会社クローネは海外の優れた特徴ある電子部品・計測器を日本国内に紹介する目的で設立いたしました。1980年の設立以来、圧力・流量・加速度センサや測定機器を中心に大学・研究機関等の実験計測分野から工業用計測分野及びOEM供給まで、幅広いお客さまにご満足を頂いております。
また最近では、蓄積された専門的な知識と経験を元に、それらのセンサを応用したデジタル圧力計やデジタル微差圧計等を自社開発し、輸入商社からメーカーへの転身を積極的に進めております。

https://www.krone.co.jp

LINBLE-Z1を搭載した『KDM30-α』とは?

株式会社クローネ 専務取締役 藤原氏

まず始めに藤原氏と上田氏から新製品の開発背景やその特長を伺いました。

-- 今回LINBLE-Z1を搭載してBluetooth化を実現した貴社製品について教えてください。

藤原氏:
元々弊社は商社からスタートしましたが、約20年前から自社ブランド製品の開発・製造・販売も手掛けてきました。その20年間で培ってきた技術と経験を詰め込んだ新製品が『KDM30-α』と呼ぶ高精度のデジタル圧力計です。この製品は小さな圧力から油圧のような大きな圧力まで、多くの種類の圧力を測ることができます。そのため、工業分野、医療分野、研究分野など、圧力測定を求められる幅広い分野で多くのお客様にご利用いただいております。

高精度デジタル圧力計『KDM30-α』

上田氏:
『KDM30-α』はBLEを搭載しているので、圧力測定値をBluetooth通信を用いて0.1秒に1回の頻度でデータ転送し、PCに取り込み、管理することが可能です。現在、PC用受信ソフトはWEBサイト上で無償公開しておりますので、ぜひご興味いただいた方は一度弊社の製品サイトをご覧いただきたいです。

株式会社クローネ 営業部 上田氏

実は、前モデルの『KDM30』でもBluetooth Classicを搭載した製品を販売していました。この前モデルと比較すると、今回BLEモジュールのLINBLE-Z1を採用したことで、電池の持ちが良くなったり、スマホ・タブレットとの接続ができるようになったり、ロガー機能も新たに追加するなど、前モデルから大きく進化させることができました。また、前作からご好評いただいている『フレキシブルディスプレイ※』も継続採用し、機能面だけでなく取扱性含めたデザイン面にもこだわっています。表示部を見やすい角度に調整することができるため、測定者や施工者の手間や負担を軽減することが可能です。
※日本、米国、韓国にて特許取得済み

無償で利用できるPC用受信アプリ

LINBLE-Z1採用の決め手は『開発の容易さ』

株式会社クローネ 技術部 山下氏

次にLINBLE-Z1を検討されたキッカケについて山下氏からお話を伺いました。

-- LINBLE-Z1を検討されたキッカケや採用の決め手を教えてください。

山下氏:
正直に申し上げますと、当初、新製品の『KDM30-α』ではBluetoothの採用自体を全く考えていませんでした。
というのも、前作の『KDM-30』では、無線化.comのSPPモジュール『ZEAL-C02※』を利用していましたが、ZEAL-C02が終息になったことに加え、当時開発を担当していたエンジニアの退職や、開発コストの見直し等も重なり、社内では「一度、Bluetoothを使った製品開発はやめよう」という話になっていました。
※ZEAL-C02はLINBLE-Z1の前身となったエイディシーテクノロジー社のBluetoothモジュール。LINBLE-Z1と互換性あり。

ところが、Bluetoothの世の中への普及度合いやお客様からのBluetooth搭載製品に対するお問合せも増えてきている中、偶然インターネット上で『LINBLE-Z1』を発見し、ZEALシリーズとの互換性(ピンコンパチブル)があって扱うのもカンタンそうだったので、Bluetooth搭載を再検討することになりました。

繰り返しとなりますが、前モデルからの移行開発ではあったものの、既に当時の開発担当者は不在であったため、Bluetoothモジュールは半ば新規採用での開発となりました。そんな中で『LINBLE-Z1』採用の決め手となったのは、BLEモジュール側のソフト開発が不要だった点でした。UARTでコマンドを送信するだけで利用できるので、ソフト開発をイチから自社で行った場合と比較すると時間的、金銭的コストが倍くらい違うと感じています。実際に『LINBLE-Z1』を評価してみた結果、実現したいことや思ったことをあまり悩むことなく実装できた点も魅力的でした。具体的には、「こんなことがしたい!」と思った時に、ユーザーマニュアルを確認するとそのためのコマンドが用意されており、コマンド利用も感覚的にできるので、思い立ったらすぐ実行できて、開発スピードも向上しました

我々の会社には『開発理念』という考えが存在し、その中で「機能」「品質」「デザイン」を掲げ、既成概念にとらわれず、革新的な製品づくりを目指して日々チャレンジしているのですが、そういう意味では、通信部分のソフト開発を省略できて開発スピードの短縮化が図れた分、私の方では他の開発課題に多くの時間を割くことができました。具体例を挙げると「BLEになったので以前に比べれば省電力だが、さらに省電力に抑えるにはどのようにすべきか?」という課題に最も時間を投じ、地道な計算・設計・検証を繰り返した結果、当初の約1/10にまで消費電流を低減することができました。

--LINBLE-Z1を他のエンジニアの方々におススメするとしたらどんな部分でしょうか。

山下氏:
BLEに関して知識がないエンジニアの方や、どの通信方式から開発をスタートしようか迷っている方などにお薦めしたいです。

LINBLE-Z1には使い勝手の良さや通信距離の長さなどの良さもありますが、ムセンコネクトのBluetoothに関する総合的な知識を得られることがメリットだと思います。我々自身がそうでしたが、Bluetoothに関しての知識が少なくても、ムセンコネクトにはすぐに通信できるハード面の提供に加えて、相談した際のレスポンスの早さや認証代行などのソフト面も充実しています。我々も「とりあえず困ったときはムセンコネクトに聞いてみよう」というスタンスで、開発期間中は技術的な問い合わせと認証に関する相談を並行して進めることができました。ゼロから開発完了までを一貫してサポートしていただけた点が大きいと感じました。

--Bluetooth認証登録代行サービスもご利用いただきました。そちらのご感想も教えてください。

山下氏:
最初は自社で行おうとしていましたが、調べれば調べるほど疑問が増えて自社で行うのは難しいと感じていました。実際に利用してみて非常に楽でした。現状の我々のビジネス状況を踏まえつつ、Bluetooth認証取得の仕方をアドバイスしていただいたり、実際に工夫していただけたのも良かったです。

社員・お客様・取引先様・社会全体の幸福のために

株式会社クローネ 技術部 山下氏

-- 最後に貴社の事業、製品について今後の展望を教えてください。

藤原氏:
事業としては、小さい会社であるからこそお客様に対しては小回りの利く体制を大事にし、付加価値の高い製品を提供する「モノづくりのできる企業」を目指して日々精進してまいります。また、我々は関わる人すべてに幸せになってもらうことを第一に行動しているため、会社として、社員・お客様だけでなく、取引先様や社会全体の幸福のために行動していきたいと考えています。

Bluetooth化のポイント

  • Bluetooth Classic(SPP)からBLEへ移行することで、前モデルと比べて高性能化、多機能化を実現。
  • 扱いが容易なLINBLE-Z1を採用して無線通信部の開発工数を抑えることができたため、その分他の開発課題に多くの時間を費やせるようになった。
  • 開発と並行して認証関係も相談。自社だけでは難解だったBluetooth認証も代行サービスを利用してクリア。

インタビューを終えて

今回お話を伺った中で、一番印象的だったのは『社内の風通しの良さ』でした。

  • 個人ではなく、チームで数字をつくる
  • お客様の声が技術にすぐに伝わる
  • 営業が客先に技術を同行させる
  • 実現できそうなことがあれば試作機を作ってすぐに提案しにいく

上記はクローネ様が実際に実行されていることです。会社の行動指針として掲げてはいても、なかなかできていない会社組織の方が多いのではないでしょうか。取材中も、役職や部署の垣根を越えてフラットな会話や談笑が垣間見え、すっかりクローネ様のイチファンとなりました(笑)

ムセンコネクトもクローネ様のような素晴らしい会社にしていきたいと決意を新たにしたインタビューとなりました。ムセンコネクトでは今後もBluetoothモジュールや無線化サービスを通じて、メーカー様と一緒に産業を支えてまいります。

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