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『手軽に使えるBlueZ』の罠、Bluetooth認証では要注意

こんにちは、ムセンコネクトCEOの水野です。(プロフィール紹介はこちら

本テーマは動画解説をメインとしておりますが、テキストでの解説もご用意しております。
視聴が難しい方は本ページをスクロールしてご覧ください。

今回はBluetooth認証に関するコンサルティングを行っている中で直面したオープンソースのプロトコルスタック『BlueZ』にまつわるトラブル事例と、その対策について解説します。

目次

BlueZとは?

LinuxおよびAndroidで動作するオープンソースのBluetoothプロトコル・スタックのことを指します。BlueZは『ブルーゼット』『ブルズ』『ブルーズ』『ブルージー』などと呼ばれています。

現在BlueZはLinux系のシステムでは標準搭載されているBluetoothスタックであるため、様々なアプリやライブラリがBlueZに依存していることになります。

実際にあったBlueZにまつわるトラブル事例

株式会社ハッシュタグラボ(仮名)の場合

ネットワーク機器の販売などを行っているハッシュタグラボは長年にわたりBluetooth搭載の通信機器を自社開発し、販売を行っていました。ハッシュタグラボではBluetooth認証の存在は理解していたものの、Bluetooth認証済みのBluetoothモジュールを組み込めば最終製品での取得は不要だと勘違いをしていました。そんな中、Bluetooth SIGからBluetooth商標使用違反の警告を受けたことから事態が発覚します。警告に対する対処ならびにBluetooth認証の取得について自社単独での解決は難しいとの判断に至り、ムセンコネクトへ相談がありました。

『オープンソースの罠』にはまる理由

実際にお話をお伺いしていくと、大きな課題が浮上しました。

開発していたBluetooth搭載の通信機器はOSがLinux系ということもありBlueZを搭載していました。BlueZはオープンソースの手軽さが魅力的な一方で、Bluetooth認証取得のハードルを格段に上げてしまうという負の側面を持ちます。オープンソースは誰でも自由に手が加えられるため品質が担保されず、結果としてBluetooth認証の試験をパスできないことが少なくないようです。事実、国内BQTFの3社に問合せをしたところ、3社とも「BlueZでの認証取得は容易ではない」との見解を示しています。そのうちの1社にいたってはお見積すらお断りしているそうです。

このようにBlueZはオープンソースで手軽に利用できるメリットがある一方、Bluetooth認証取得のハードルは高まります。そのリスクを十分認識した上で採用されることをお勧めします。

では、このようなBluetooth認証のリスクを回避するにはどうすれば良いのでしょうか?

Bluetooth認証も踏まえたプロトコルスタックの選び方

品質重視のプロトコルスタック

先述のようなトラブルを回避する方法の一つとして、以下のような会社が提供しているBluetooth認証済みのプロトコルスタックを購入し、組み込む方法が考えられます。

  • 株式会社グレープシステム
  • 東芝情報システム株式会社
  • ルネサス エレクトロニクス株式会社
  • 株式会社ユビキタスAI

これらを組み込むことでBluetooth認証のハードルを格段に下げることが可能です。

Bluetooth認証の専門家(BQC)に相談

また、それ以前の話として、開発機器の仕様を検討する段階から『Bluetooth認証も考慮して議論』することが重要です。この段階であればBluetooth認証の取得方法も含め何通りかの選択肢から、その時に最適な解を導き出すことができます。BQC(Bluetooth®認証コンサルタント)などの専門家に相談しながら議論を重ねることもひとつのアイデアです。

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