【トラブル増加中】認証未取得のBluetoothモジュールはこんな落とし穴に注意
こんにちは、ムセンコネクトCEOの水野です。(プロフィール紹介はこちら)
今回は『Bluetooth認証未取得のBluetoothモジュール』をテーマにした動画です。 最近『Bluetooth認証未取得のBluetoothモジュール』を搭載したBluetoothデバイスのトラブル相談が増加中です。そこで本日は、実際にあった相談事例も交えながら、未認証モジュールのリスクと注意したいポイントについて解説します。
こんなケースは要注意
Bluetooth機器の開発・製造を外部の製造メーカーに委託する場合は要注意
以前の記事でもお伝えしている通り、自社が販売する予定のBluetooth機器を外部の製造メーカーに開発・製造委託する場合は注意が必要です。製造メーカーの裁量で採用したBluetoothモジュールがBluetooth認証を未取得であったり、そもそもSIGメンバーに登録もしていないメーカーのモジュールだったことにより、トラブルに発展してしまうケースが増えています。
Bluetooth認証未取得のBluetoothモジュールを扱うリスク
リスク①最終製品でのBluetooth認証取得が困難
自社で最終製品のBluetooth認証を取得したい場合、Bluetoothモジュールの技術的な資料をBQTFに提出し、試験を通じて認証を取得する必要がありますが、そもそもBluetoothモジュールメーカー自身が認証取得していない場合はモジュールメーカーが必要な技術資料を提供してくれるとは限らず、モジュールメーカーのサポートなしに自社でBluetooth認証を取得するのは非常に困難です。BQTFについては以前の記事でもご紹介しております。
リスク②調達不安
製品形態(Bluetoothモジュール or 最終製品)に関わらず、Bluetooth認証未取得の製品に対して、Bluetooth SIGは税関での差し止めや販売停止などの重い処分を課す恐れがあります。つまり、調達面で大きなリスクを抱え続けることになります。
では、なぜ最近トラブルが増えているのか?
トラブルに遭ったお客様から実際に聞いた話によると、深刻な半導体不足が影響しているようです。
本来であればBluetooth認証済みBluetoothモジュールを調達・採用したかったそうですが、深刻な半導体不足の影響でBluetoothモジュールのリードタイム(以下、LT)が長期化しており、入手性の良い認証未取得Bluetoothモジュールを採用せざるを得なかった事情があったようです。加えて、最終製品メーカーであるお客様ご自身も認証未取得モジュールのリスクを把握されておらず、製造メーカーに使用部品の選定を一任していたため、トラブルが起きてはじめて認証未取得モジュールが採用されていたことを知ったケースもあるようです。
実際にあったご相談事例
ケース①自社開発メーカーZ社の場合
Z社は自社開発のBluetooth製品に採用するBluetoothモジュールを調査していましたが、本来採用したかったBluetooth認証取得済みBluetoothモジュールは軒並みLTが長期化していました。そこで、入手性の良い未認証Bluetoothモジュールを採用し、開発に着手しました。製品化前に自社でBluetooth認証の取得に動き出しましたが、販売直前になってBluetooth認証の取得が困難であることが判明。トラブルに発展してしまいました。
ケース②開発委託メーカーA社の場合
A社は日本国内でBluetooth製品の販売を計画していました。A社が商品企画をしたBluetooth製品Xは、海外メーカーのB社が開発・製造を担当しました。A社は販売前に完成した製品XのBluetooth認証を取得しようとしたところ、製品Xの中にはBluetooth認証未取得のBluetoothモジュールが使用されていたことが判明。こちらもトラブルに発展してしまいました。
二つのケースで経緯は異なりますが、どちらもBluetooth認証未取得のBluetoothモジュールを採用していたために発生してしまったトラブルと言えます。
ムセンコネクトがお伝えしたいこと
これらの実例を踏まえて、ムセンコネクトからお伝えしたいことは大きく2点あります。
1点目は、半導体不足の最中でも入手性の良いBluetoothモジュールには、こういったリスクも存在していること。Bluetoothモジュール選定の際はこのようなリスクもご認識いただいた上で、慎重にお選び頂くことをお勧め致します。
2点目は、使用するBluetoothモジュールを把握しておくこと。開発元・製造元にBluetoothモジュールの選定を一任していた場合も、「どんなBluetoothモジュールを採用したのか?」「認証関連は問題ないのか?」などを試作段階からしっかり確認しつつ、慎重に製品化を進めると良いと思います。